青銅炉

ヨーロッパの多くの川や湖、沼の底から青銅器が発見されており、これらは神々に献納品を捧げる風習のために部族の指導者が特別に造らせたものだと考えられています。ロンドンを流れるテムズ川での遺物調査の結果、古代の青銅の器物が川底から多数引き上げられ、周辺に居住していた部族が宗教的祭儀を行っていたことが窺えます。特に有名なものが1868年に発見されたウォータールー・ヘルメットで、これは兜として使うには強度が足りないために儀礼用に製作され、川に沈められたことが明らかです。また同様にバタシー・シールドやウォンズワース・シールドといった装飾された儀礼用の盾が発見され、これらは現在大英博物館に収蔵されています。いずれもBC2世紀からBC1世紀にかけて製作されたものと考えられ、当時のケルト人が高い金属加工技術を持っていた証左となっています。