ムーサイの祠堂

英語読みではミューズとなるギリシア神話のムーサ（複数形はムーサイ）は文芸や詩歌を司る女神たちであり、芸術家に霊感を与えました。彼女たちはゼウスと記憶の女神ムネーモシュネの娘で、その人数については様々な伝承がありますが、一般的には九姉妹として知られています。叙事詩や抒情詩、喜劇、悲劇、頌歌などの詩歌を九柱の女神それぞれが受け持っていました。ボイオティア地方のテスピアイ郊外にはムーサイの谷と呼ばれる聖地があり、そこには彼女たちに捧げられた神殿が建立されていました。そこで5年に一度ムーセイアという祝祭が開かれ、詩人や音楽家が集ってムーサイに自慢の作品を奉納しました。