小村

ローマやギリシアの歴史家は蛮族のことを狩猟と採集で生きる糧を得ている民であり、建設や農業のことなど何も知らない人間であるとしばしば書いていますが、それは明らかな誤りです。いわゆる「蛮族」たちが数千年の間に知識や技術を蓄積し、生きるために多くの建設物や構築物を築いていたことが考古学的な調査で判明しています。スコットランドで発見されたブロッホ（積石建築）は厳しい気候を乗り越えて現在まで残り、これを作った人々の意図に関して様々な議論を呼んでいます。ブロッホは巨大な円筒形の石積で、内部の直径は5～15ｍ、中には高さが13ｍに達するものもあります。城塞の跡だと言う説や、富と権力の象徴として王が作らせたという説などがありますが、未だに多くの謎に包まれています。