兵站

砂漠のような不毛の地を除き、軍隊はその土地のものを食べて生きています。そのために徴発部隊が派遣され、地方の住民から食糧と馬糧、また燃料などを買い上げ、場合によっては代価なしで奪うこともありました。軍は野営を行って寝床を確保し、ささいな軍規違反者に便所を掘らせました。そこでは訓練が行われ、海岸や川岸が近くにある場合は投石兵が石を拾い集めに行きました。軍隊に必要な物資は馬車に山と積まれ、軍隊と共に移動します。それば武器、防具、矢、また医療器具、薬品、酒類、衣類、靴、様々の日用品など、非常に多くの物品を大量に必要としたのです。兵站とはこれらの補給はもちろんのこと、軍隊が機能するために必要な全ての後方支援であり、これが滞れば軍隊は活動不全に陥ります。良い将軍は補給こそ戦争に勝つ手段であると知っています。空腹や喉の渇き、そして病気を訴えている兵士を戦場に連れて行くほど無意味なことはありません。統率力とは兵士に十分な力を発揮させてやる状況を作ることを含んでいるのです。