市民による兵役

解説

ギリシアの都市国家(ポリス)の概念はBC8世紀~BC7世紀に芽生え、同じ部族と血族の人間たちが団結し、「文明的な」共同体を創立して自治と自衛を行ったのが始まりとされています。現在の社会でも同じように、ポリスの内部で生活する人間は誰であろうと社会に貢献できることを証明し、自分の存在そのものを正当化しなければなりませんでした。ギリシアの市民権は政治に参与する権利であり、同時に兵役を果たす義務を伴っていました。兵士の装備は原則として自弁であり、当時の槍や剣、鎧兜は安価なものではなかったため、市民とは武具を所有できるほどの財力を持つ者に限られていました。十分な財産を持たない無産市民は兵役義務がなく、従って参政権も持ちませんでした。しかしアテナイにおいてはペルシア戦役でこれらの無産市民が三段櫂船の漕ぎ手として働き、彼らは自分たちも政治に参加する権利を求めるようになりました。これに応えたのがペリクレスであり、アテナイの民主政は彼が最高権力を握っていた時代に確立されたと言えます。

有効化
建設物
利用可能な勢力