スコルピオン付トリエレス船, ヘイロタイ投石兵
募兵費 | 590 | |
維持費 | 118 | |
投射ダメージ | 20 | |
射程距離 | 150 | |
毎分の射撃数 | 7 | |
船体強度 | 693 | |
船速 | 6 | |
白兵戦攻撃 | 8 | |
武器ダメージ | 24 | |
白兵戦防御 | 37 | |
防具 | 15 | |
耐久力 | 45 |
アビリティ
長所と短所
- 脆弱な船体
- 軽装備の搭乗員
- 高い船速
- 低い衝角突撃能力
- 平均的な接舷移乗能力
- 優秀な射撃戦闘
- 非常に長い射程
- 平均的な射撃速度
- 小さなダメージと平均的な徹甲力
- 非常に弱い白兵戦闘
- 非常に低い士気
解説
古代世界の軍船のうち、最も一般的だったのは三段櫂船(ギリシア語ではトリエレス)でした。古代史劇をテーマにしたハリウッドの大作映画の多くには三段櫂船が現れます。この船は当初から戦闘用に設計されており、その名の通り両舷の上下三段に漕ぎ手を配置し、多数の櫂が干渉しないよう空間が確保されていました。櫂は船体の舷外材に取り付けられ、軸受けを中心として回転する仕組みでした。三段の櫂の長さはどれも同じで、櫂が海面に刺さる角度を少しずつ変えて水を漕ぐ力が分散しないようになっていました。三段櫂船は古代の快速船で、良く訓練された船員ならば素晴らしい速度で海上を航行できました。また一般に考えられているように漕ぎ手が全て奴隷と言うわけではなく、自由民が兵役の一部として務める場合も多かったのです。ただし櫂で漕ぐ以上喫水線を低くせざるを得ず、悪天候で波浪の高い場合、また外洋での航海には適していないという欠点もありました。とはいえ三段櫂船は非常に長い時代を通じて軍船の主役であり、衝角突撃は多くの海戦で敵の船を沈没させました。甲板には多くの兵士や大型兵器を搭載でき、海兵は接舷移乗の時機を今かと待ち構えていたのです。
ヘイロタイはスパルタ人が支配する社会の中で多数を占める奴隷であり、征服された非自由民です。ヘイロタイのうち家僕としてスパルタ市民に奉仕する者もいましたが、彼らの大半は農業に従事してエウロタスとパミッソスの谷に広がる肥沃な耕地で働き、支配民であるスパルタ人に収穫の半分を貢納していました。戦時には軽歩兵として従軍する場合もあり、大きな戦功を挙げた者は奴隷身分から解放されることもありました。BC464年に20000人もの犠牲者を出した大規模地震がラコニア地方を襲った後、ヘイロタイ(その多くがメッセニア人でした)とペリオイコイがスパルタ人に対し反乱を起こしました。反乱軍は10年もの間スパルタ人と戦って講和を勝ち取りましたが、その後スパルタ人はヘイロタイを押さえ込むために極端な軍事優先政策を採用し、クリュプテイアのような風習もこの時から始まったと言われています。スパルタ人はヘイロタイを軍事訓練の一環として殺害することを推奨し、それを正当化するために行政官がヘイロタイに対し宣戦することが毎年の儀式となっていました。若いスパルタ人は自分の技量を証明するためにナイフだけを持ってヘイロタイの集落へ潜入し、彼らを殺して所持品を奪いましたが、反対にヘイロタイに捕まって殺されることもあったため、命がけの訓練だったことも確かです。