スコルピオン付トリエレス船, 東方投石兵

募兵費 770
維持費 154
投射ダメージ 23
射程距離 150
毎分の射撃数 7
船体強度 758
船速 6
白兵戦攻撃 8
武器ダメージ 24
白兵戦防御 37
防具 15
耐久力 45
長所と短所
  • 脆弱な船体
  • 軽装備の搭乗員
  • 高い船速
  • 低い衝角突撃能力
  • 平均的な接舷移乗能力
  • 優秀な射撃戦闘
  • 非常に長い射程
  • 平均的な射撃速度
  • 小さなダメージと平均的な徹甲力
  • 非常に弱い白兵戦闘
  • 非常に低い士気
解説

古代世界の軍船のうち、最も一般的だったのは三段櫂船(ギリシア語ではトリエレス)でした。古代史劇をテーマにしたハリウッドの大作映画の多くには三段櫂船が現れます。この船は当初から戦闘用に設計されており、その名の通り両舷の上下三段に漕ぎ手を配置し、多数の櫂が干渉しないよう空間が確保されていました。櫂は船体の舷外材に取り付けられ、軸受けを中心として回転する仕組みでした。三段の櫂の長さはどれも同じで、櫂が海面に刺さる角度を少しずつ変えて水を漕ぐ力が分散しないようになっていました。三段櫂船は古代の快速船で、良く訓練された船員ならば素晴らしい速度で海上を航行できました。また一般に考えられているように漕ぎ手が全て奴隷と言うわけではなく、自由民が兵役の一部として務める場合も多かったのです。ただし櫂で漕ぐ以上喫水線を低くせざるを得ず、悪天候で波浪の高い場合、また外洋での航海には適していないという欠点もありました。とはいえ三段櫂船は非常に長い時代を通じて軍船の主役であり、衝角突撃は多くの海戦で敵の船を沈没させました。甲板には多くの兵士や大型兵器を搭載でき、海兵は接舷移乗の時機を今かと待ち構えていたのです。

投石兵は古代の軍隊では普通にあった兵種です。投石紐は非常に古くからある兵器で、旧石器時代にまで遡ることができます。当時の弓と比較すると投石紐は簡単に製作でき、効果的な射程距離も凌駕していました。投石紐は麻や亜麻、イグサなどから作られ、石を包み込める受け部分を持っています。一方の端を手首に固定したり、握るための結び目を作ったりして安定させた後、もう一方の端を掴みます。使用者は紐を回転させて勢いをつけ、適当な位置で紐を離すと一方の端が手から抜けて石が飛翔します。簡単に連射できるため、石を浴びる側にとってはたまったものではなく、熟練者の手にかかれば400メートル以上も離れた相手に痛撃を加えることも可能でした。河原などで集められた丸石のほか、硬く焼いた粘土や鉛玉などが弾として使われました。(時折、弾に「捕まえて!」とか「受け取れ!」などの冗談とも思える文句が刻まれることもありました)これらの弾は飛翔するのを目で捉えるのが難しく、矢尻のように鋭くはありませんが、短距離なら鎧の上からでも簡単に骨を砕きました。有名な例では、カンナエの戦いにおいてローマ軍の指揮官であったルキウス・アエミリウス・パウルスは戦いが始まって間もなく投石兵によって殺されています。